2025年のノーベル文学賞を受賞したクラスナホルカイ・ラースローはあるインタビューでこと言いました。
「……私はハンガリーの土地を残念ながら、決して捨てることができません。どこにいても、それは関係ありません……」
彼はハンガリーを背負って旅をしていました。旅は最初から、失敗すると考えられていたか、失敗することが決まっていました。
他の国や場所は、ハンガリーを一時的に置く場所でしたなく、「他者」にはなりませんでした。
でも、旅の本当の意味は他者を探すことです。
それなのに、彼はずっと旅をして、いろいろな場所に住んでいました。
それは一つには、「人を苦しめるハンガリー」から離れたかったからです。また若い時の経験で、「どこかで家のように感じること」ができなくなったからです。
だから彼は、出会いや気分で移動して、行き先のない旅をしていました。
でも、とてもおもしろことに、旅を始めてから、彼の書くものは確かに「東洋的」になっていったのです。